はじめに
愛犬の「無駄吠え」に悩んだ経験がある方は、きっと少なくないと思います。
近所からの苦情が心配になったり、家族みんなが落ち着かない毎日になってしまったり。
なにより、犬自身が不安や興奮で苦しんでいることもあります。
でも、犬が吠えるのには必ず理由があるんです。
その原因を知って、犬の気持ちに寄り添いながら対応することで、少しずつ穏やかな時間を取り戻すことができるはずです。
この記事では、犬が無駄吠えをしてしまう主な原因や、タイプ別のしつけ方法、無駄吠え防止グッズなど、7つの具体的な対策をご紹介します。
「どうしたらうちの子も落ち着いてくれるかな?」と悩んでいる方の、ヒントになれたら嬉しいです。
犬が無駄吠えする原因を探す
犬にとって「吠えること」は自然なコミュニケーションのひとつです。
でも、飼い主さんが困ってしまうほど頻繁になると、それは「無駄吠え」と呼ばれるようになります。
無駄吠えの原因には、いくつかのパターンがあります。
たとえば、見知らぬ人に警戒して吠える、ひとりぼっちで不安になって吠える、遊びたくて興奮して吠える……。
他にも生活環境の変化など、さまざまな理由があります。
また、犬種によっても吠えやすさには違いがあります。ポメラニアンやミニチュアダックスフンドなどは、比較的よく吠えるタイプとして知られています。子犬や保護犬は、まだ社会に慣れていないことが多いため、外の刺激に敏感に反応することもあります。
無駄吠えには「要求吠え」「威嚇吠え」「恐怖吠え」など、いくつかのタイプがあり、それぞれ原因も対策も異なります。まずは、愛犬がどんな場面で吠えているのかをよく観察してみてください。
日々の様子をメモに取っておくと、原因が見えてくることがあります。
吠えのタイプ別・効果的なしつけ方法
無駄吠えを減らすためには、原因に合った対策を選ぶことが大切です。
ここでは、よく見られる3つの吠え方と、それぞれに合った対応方法をご紹介します。
1. 要求吠え
「おやつがほしい」「遊んで」「外に出たい」など、自分の希望を通そうとして吠えるのが要求吠えです。つい応じてしまいたくなりますが、吠えるたびに望みが叶うと学習してしまうので注意が必要です。
この場合は、吠えている間は目を合わせず、声もかけず、そっと無視を続けることがポイントです。そして、静かになったらご褒美や遊びの時間をあげましょう。家族みんなで同じ対応をすることが、とても大切です。
要求される前に、犬の要望を叶えてあげられるのが理想的ですね。
2. 威嚇吠え
知らない人や犬、玄関のチャイムなどに対して吠えるのは、威嚇吠えです。自分や家族を守ろうとする本能的な反応ともいえます。
この場合は、「おすわり」や「ハウス」などの指示を出し、吠え以外の行動ができたらたくさん褒めてあげてください。吠えているときに注意すると逆効果になることもあるので、落ち着いたタイミングで対応するのがコツです。苦手なものに少しずつ慣らしていくトレーニングもあります。
3. 恐怖吠え
雷や花火、大きな音、知らない人や場所などに不安を感じて吠えるのが恐怖吠えです。
まずは、犬が安心できる場所に移動させてあげてください。そして、無理に怖いものに近づけず、少しずつ慣らしていくことが大切です。過去のトラウマがある子には、焦らずゆっくり向き合うことが必要になります。
このように、吠える理由を知ることで、犬にとっても飼い主さんにとっても負担の少ない対策ができるようになります。
無駄吠え対策のための基本トレーニング
日々の暮らしの中で、少しずつしつけやトレーニングを積み重ねていくことも、無駄吠え対策にはとても効果的です。ここでは、すぐに始められる基本的なトレーニング方法をご紹介します。
コマンドトレーニング
「静かに」「おすわり」などのコマンドを覚えてもらうことで、犬は「今は吠えなくてもいいんだ」と理解しやすくなります。吠えたときには「静かに」と指示し、静かになったタイミングでご褒美をあげましょう。少しずつ繰り返していくことで、コマンドの意味を覚えてくれます。
運動と刺激の確保
運動不足や退屈は、吠えやすくなる大きな原因です。毎日のお散歩や遊びの時間を大切にして、心と体をしっかり動かすことがポイントです。知育トイやパズルおもちゃなども、脳への良い刺激になります。
社会化トレーニング
他の犬や人、いろんな音や場所に慣れることで、不安からくる吠えが減っていきます。
子犬だけでなく、成犬や保護犬にも社会化はとても大切です。
無理のないペースで、少しずついろんな経験を積ませてあげましょう。
一貫性と家族全員の協力
しつけには、一貫したルールが必要です。
家族でルールを共有して、みんなで同じ対応をすることが、犬の混乱を防ぎます。
途中であきらめず、焦らず、コツコツ続けることが成功のカギです。
続けるうちに、犬との絆もいっそう深まっていくはずです。
無駄吠え防止グッズの種類と選び方
「しつけやトレーニングだけではなかなか改善しない……」そんなときには、無駄吠え防止グッズの力を借りるのもひとつの方法です。犬に負担をかけすぎないように、性格や体格、吠える理由に合わせて選んであげましょう。
超音波・高周波タイプ
犬が吠えると、人には聞こえない高周波音が出て注意をそらす仕組みです。広範囲で使えるため、多頭飼いのお家にも向いています。ただし、犬によって効果に個体差があるので、様子を見ながら使用しましょう。
音・警告音タイプ
吠えたときに警告音が鳴って、犬の意識を切り替えるタイプです。設置型や持ち歩けるものなど種類もいろいろあります。音に敏感な犬にはストレスになる場合もあるので、少しずつ試してみてください。
振動(バイブ)タイプ
首輪に装着し、吠えると軽い振動で注意を引くタイプです。痛みを与えないので、穏やかな方法を望む飼い主さんに向いています。振動の強さを調整できるものもあり、犬の性格や体格に合わせやすいのが特徴です。

他にもいろんなグッズがありますが、犬に苦痛を与えるものに私は反対なので、グッズの紹介はここまでにしておきます。
どんなグッズも、犬に合うかどうかは使ってみないとわからないこともあります。
使い始めは、犬の様子をよく観察して、不安そうにしていないか、体調に変化がないか確認してあげてくださいね。
まとめ
愛犬の無駄吠えに悩むとき、大切なのは「なぜ吠えているのか」を知ることです。
理由がわかれば、それに合った対策も見つけやすくなります。
たとえば、要求吠えには「無視とご褒美」、威嚇吠えや恐怖吠えには「安心できる環境づくり」や「コマンドトレーニング」が効果的です。また、日々の運動や刺激、社会化の機会も欠かせません。
それでも改善が難しいときには、防止グッズをうまく取り入れるのもひとつの方法です。
気持ちを大切にしながら根気よく続けていくことが一番です。
毎日の小さな変化を楽しみながら、愛犬との信頼関係を育てていきましょう。
この記事が、愛犬の無駄吠えに悩んでいる方の、少しでもお役に立てたら嬉しいです。愛犬との暮らしが、ますます穏やかで楽しいものになりますように。